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平等院

目次

平等院とは

平等院は平安王朝の輝き、理想郷を今も伝える貴重な世界遺産です。



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平等院概要

名称:平等院
・所在地:京都府宇治市宇治蓮華116
・山号:朝日山
・宗派:単立
・本尊:阿弥陀如来坐像
・創建年:1052年
・開基:藤原頼通、明尊(開山)
・国宝文化財:鳳凰堂、阿弥陀如来坐像、天蓋、雲中供養菩薩像、鳳凰、梵鐘、鳳凰堂中堂壁扉画
・ユネスコ世界遺産「古都京都の文化財」構成物件

京都と奈良を結ぶ中間に位置する宇治にあり、琵琶湖に繋がる宇治川と朝日山、仏徳山、喜撰山の山々を借景とし、世界的に著名で、日本が誇る寺院です。

末法思想に基づき浄土が体現された平等院のデザインは、芸術的観点から見ても素晴らしいものです。

京阪奈っ子にとっては、平等院は清水寺と並んで、遠足の行き先として馴染み深い寺社仏閣です。



平等院の歴史

859年に嵯峨天皇の皇子である源融が築いた宇治院を998年に藤原道長が譲り受けました。

栄耀栄華の絶頂期を迎えた藤原一門ですが、栄枯盛衰への不安が生じ、安寧を極楽浄土に求め、1019年に出家した道長が所有しました。

藤原道長が、1027年に亡くなった後は、子の藤原頼通が所有し、1052年に宇治殿に本堂を建立し、寺号平等院とする天台宗の寺院へと改めました。


因みに1052年は、ブッタ入滅から1500年目であり、仏教伝来から500年目であり、東大寺大仏開眼供養が行われてから300年目であり、末法の初年です。


武士や僧侶の権力争いが続いた上に、天変地異による疫病と飢餓も流行り、動乱の中、人々は末法の時代を恐れた故に死後の不安が高まり、来世で美しい極楽浄土に往生したいという願い、浄土信仰が広まり、天皇や貴族も仏教に帰依し、極楽往生を願い、数多くの阿弥陀堂(阿弥陀如来は、西方極楽浄土の教主として、死後の極楽浄土への往生を約束してくれる仏様)が建立されました。


藤原頼通もその例に漏れず、1053年に平等院鳳凰堂を創建、阿弥陀堂を建立しました。
その後、1500年に浄土宗の城誉栄久により伽藍の修理が行われ、浄土宗の塔頭である浄土院が建てられ、平等院は、天台宗に加えて、浄土宗を兼ねることになりました。



平等院の現在

1681年に寺社奉行により平等院は「天台・浄土両宗により護持、修理は交替、平等院の名称は一山の総称」等の裁定が下されて、現在は特定の宗派に属さない単立寺院となっています。



平等院の(末法思想)デザイン


平等院鳳凰堂とその全面に広がる阿字池は、阿弥陀仏の世界である極楽浄土を再現する浄土庭園です。

太陽が西に沈む時、鳳凰堂の裏側に沈むが、極楽浄土は太陽の沈む西の方角にあり、その光景はまさに現世の極楽浄土と言えます。


極楽浄土の宝池を表す阿字池の中島に建てられている鳳凰堂は、極楽の宝池に浮かぶ宮殿の様であり、水面に移る姿を含めてこの世のものでないと感じる程に美しく優雅です。


阿字池の畔(現世)から中国の想像上の瑞鳥とされる金銅製の鳳凰を象っている鳳凰堂を拝むと、開かれた扉の後ろの格子窓の空いている円形から本尊の阿弥陀如来坐像の顔の部分だけ拝む事ができます。

そのお姿を拝見すると、しばらく微動だにできず、吸い込まれる様に見入り、言葉では言い表せれない程に崇高な存在であると感じ安らぎを得ます。


平等院の建造物は、単に美しいだけでなく、教え、考え方をリアルに体現していますが、それは敷地内に留まらず宇治川と宇治山を借景として利用している事を含めての事であり、その事は、唯一無二の寺院だと言っても過言ではありません。

千年の時を経た今尚、仏教徒でない者を含めて観る者を安らかにする力を持ち続けた上で、魅了し続けている点が素晴らしいです。

また、世俗的な意味においても、花見や紅葉シーズンにおいての平等院が、人々を引き寄せ、癒す力を持っています。



平等院と清水寺

平等院と清水寺は、先に述べた通り、京阪奈っ子にとっては遠足にも行った事があるのでとても親しみのある寺社仏閣です。


平等院と清水寺は、共にユネスコ世界遺産「古都京都の文化財」構成物件であり、共に周りの自然と調和されており、しばしば対比される。

清水寺は京都市内にあり、京都市街地からも際立つ三重塔など境内には個性的な宗教的建造物が点在し、華やかな寺院として観光客を楽しませてくれます。

また、貫主がメディアに頻繁に取り上げられたり、本堂が「今年の漢字」の発表の会場となる本堂が広範に映し出されたり、本堂の舞台は「清水の舞台から飛び降りる」という諺に引用されたり、一つの宗教的なビジョンを超越して体現化していると言えます。

一方、平等院は京都市街地から離れた宇治に位置し、十円玉の図柄の印象通り、物静かな寺院であるが、宇治川や宇治山等建物以外の自然的な構造物を含めて、末法思想という一つの宗教的ビジョンを体現している事が最も特筆する点です。


清水寺は、参道の出店は参詣する際の楽しみの一つとして存在します。

しかしながら清水寺をバックボーンとした地域性に特化する店は少なく、有名店の出店も多く多様性に富んだところも楽しみの一つだと思います。

平等院の周りの店は平等院を抱える宇治の特産品のお茶に関わる店が多く、統一性を楽しめるのが特徴である。 

あのスタバ(スターバックス京都宇治平等院表参道店)も平等院に溶け込んでいます。



アフターコロナ時代


現代の人々が神社仏閣を訪れる目的は、宗教的な意味あいよりも観光など、現実社会でのストレスをリリースする目的が多くを占めてきました。

平等院が位置する宇治はお茶が有名であり、参道周辺にはお茶関連の店が多く、平等院に参詣した際にお茶屋さんで一服する事が定番になっている。

されどコロナ禍においては、平等院を参詣する人は減少していた中で、僕を含めて敢えて平等院を参詣した人々とっては、今まで以上に心の拠り所だったんだと思います。

アフターコロナ時代において、参詣により、人々がコロナ禍以前よりも次の時代を考える機会になっている事は間違いありません。

アフターコロナ時代において、より多くの人々が幸せになる為のヒントが、末法思想に基づき(広義の意味において)デザインされた平等院に多く隠されていると思います。

アフターコロナ時代においては、近代の価値観を見直さない限り、多くの人々が笑顔で過ごせる社会の構築は難しいと思います。


人の歴史は、周期的にやって来る氷河期による飢饉と、定期的にやってくる地殻変動を含めた自然災害に加え、疫病との闘いの歴史でした。

科学万能時代と称される現代でも人間は自然には勝てないにも関わらず、その意識が希薄です。

近代化されて何でもコントロールできると過信していた私たちに、阪神大震災で多くの教訓を得たにも関わらず、諺(ことわざ)通り「喉元過ぎれば熱さ忘れる」如く、多くの人々は大都市神戸を中心とした被災地が復興するにつれて、自然の力を忘れつつあるなかで、東日本大震災や福島原発事故が起こりました。

それでも経年と共に自然の恐ろしさ、原発の危険性を意識も薄れて来た感がある中でのコロナ禍となりました。


人々が幸せに生きていくには、幕末以前の古の賢人達の知恵を拝借する必要性を唱える者も多いですが、私もその一人です。

多くの流行り疫病や自然災害、氷河期等による飢饉を乗り越えてきた歴史を見つめる必要がある。祇園祭り然り、末法思想然り。


今こそ、本来、自然の恵み、天の恵みに感謝し、恩恵を受けていた事を想起すべきだと考えますが、今回、平等院を知ることにより、光明が見えた気がします。


世界遺産の中でもある意味で個性が際立つ寺院を改めて考察することにより古びとの知識と知性に触れることとなり、温故知新を噛み締めることとなります。

コロナ禍で世界全体で不安な空気が漂っている現代であるからこそ、歴史ある寺社仏閣が、建立された意味や存在し続ける意味を考える機会とし、古の賢人達のスタンス、指向性を含めて参考にして、大きな視野を持って、より良い住みやすい社会を実現する為に結びつける必要性を感じました。

平等院・鳳凰堂・瑞鳥を模したデザイン

貨幣

昭和34年~発行されている十円青銅貨幣(通称:十円玉)の並びに昭和26年~昭和33年に発行されていたギザあり十青銅貨幣(通称:ギザ十)の表のデザインは、平等院鳳凰堂が採用されています。

紙幣

1万円札裏面:宇治平等院の鳳凰堂の鳳凰像が採用されています。

最高券面額として、品格のある紙幣にふさわしいものとして、瑞鳥(ずいちょう)が描かれており、旧1万円券の裏面でも図案化されていた鳳凰を採用したものです。

鳳凰は、我が国の国宝である宇治平等院の鳳凰堂の鳳凰像を素材としています。

トヨタ・センチュリー


1967年の誕生以来、日本屈指の最高級車であるトヨタ・センチュリーは、エンブレムは、平等院の鳳凰(瑞兆:めでたいことが起こる前兆とされる鳥)を冠しています。

西洋の高級車とは一線を画すトヨタ・センチュリーだからこそ平等院の鳳凰を冠したと言われています。

平等院へのアクセス

住所 〒611-0021 京都府宇治市宇治蓮華116

〒631-0811 奈良市秋篠町757
アクセス 近鉄大和西大寺駅北口より 押熊行バス6分「秋篠寺」下車すぐ
問合せ 0742-45-4600 (秋篠寺、FAXも同じ)
バリアフリー なし
駐車場 なし
拝観料 入園+鳳翔館 (平等院ミュージアム) 一般600円 中高生400円 小学生300円
鳳凰堂内部拝観 一人300円

拝観時間 庭園8:30~17:30(受付終了17:15)
平等院ミュージアム鳳翔館9:00~17:00(受付終了16:45)
鳳凰堂内部 受付時間9:10~16:10拝観9:30~ 以後20分毎に1回50

記事を作成する際に参考にしたサイト・出版物並びにイラスト・画像を利用させて頂いたサイト

世界遺産 平等院

公益社団法人 宇治市観光協会

古寺巡礼京都(13)新版 平等院

財務省

トヨタ・センチュリー

新版 古寺巡礼京都〈13〉平等院


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この記事を書いた人

1960年代生まれの健康&エコ&ピースオタク。
四半世紀近くエコ&ヘルシーな事業を展開後、セミリタイア。
還暦になり約10年振りにブロク再開。
久しぶりに使うWordPressにブロックエディタがある事に戸惑いながらもマイペースに発信中。

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